Ender3に大分慣れてくると、PLAだけじゃなくてもっと色々なフィラメントを造形したくなってきませんでしょうか?
例えば、ナイロンやポリカーボネートなど通称”エンジニアプラスチック”と呼ばれる高強度なフィラメントとかです。
これはPLAに対して非常に高い強度をほこり、自動車など強度が必要な部品にも使用される樹脂です。
しかし、これらエンジニアプラスチックは造形する際のノズル温度の要求が非常に高く、Ender3の通常ノズルでは対応することができません。
そこで今回は、Ender3でナイロンやポリカーボネートなどのエンジニアプラスチックの造形を可能にするための”バイメタルヒートブレイク化”のやり方をご紹介致します。
バイメタルヒートブレイク化とは
まずバイメタルヒートブレイクとはなにか?
なぜバイメタルヒートブレイクだと高温での印刷が可能になるか?
について説明します。
↓の図にある通り、通常のヒートブレイクではPTFEチューブが深く挿し込めてしまうので、ノズルを加熱する際にPTFEチューブが暖められてしまいます。
そしてこのPTFEチューブの耐熱温度は約240℃となっているので、これ以上に加熱する場合、最悪溶けてしまうのです。
ではバイメタルヒートブレイクを使用した場合どうなるでしょうか?
バイメタルヒートブレイクは特殊な形状をしており、PTFEチューブを深くまで挿し込むことが出来ないです。
そのため、暖められる部分からは少しPTFEチューブが遠くにあるという状態になります。
こういった理由で、240℃以上の高温までノズルを加熱してもPTFEチューブの温度はそこまで上昇せず、とけたりすることがなく使用することが可能となるのです。
バイメタルヒートブレイク化の手順
準備するもの
準備するものは2つになります。
・バイメタル(今回のメインアイテム)
・六角レンチ(持っている人は不要)
バイメタル本体↓ (リンク)
ホットエンドの分解
それではいよいよ交換作業に入っていきます。
まずはヒートブレイクを取り出すためにホットエンドを分解していきます。
ファンやBLセンサー(ない場合は無視で)を取り外していきます。
ホットエンド部があらわになりました。
ホットエンドの中央のイモネジを取り外すと、ヒートブレイクが抜けます。
※このイモネジ本当に小さくて落とすと部屋の中でもマジで見つからないので注意してください。
私泣きながら1時間さがしたことあります。。。
無事にヒートブレイクが取り出せました。
なぜかヒートブレイクからPTFEチューブをどうしても取り外すことができなかったので諦めてPTFEチューブごと外しました。
ヒートブレイクとPTFEチューブのつなぎ目をよーく見てみると取り外せない理由がよくわかりました。
なんと溶け出たフィラメントがヒートブレイクとPTFEチューブの間に入り込み融合してしまっていたようです。
なので今回はPTFEチューブごと交換する事とします。
思わぬ所でこのような不具合に気づくことができたのは良かったと思います。
今まで起きていた造形不良ももしかしたらこれに原因があったのかもしれません。
購入したPTFEチューブは↓
PTFEチューブ(リンク)
バイメタルヒートブレイクの取り付け
ホットエンドにバイメタルを取り付けていきます。
取り付けました。
次にPTFEチューブを差し込んでいきます。
しかし、差し込むPTFEチューブの切断面はしっかりと平面が出ていないとまた、先ほどのようにフィラメントが漏れ出してしまいます。
なのでなるべく平面が出るように切断面をペーパーやすりで綺麗にしておきます。
※これ結構大事な作業みたいで、綺麗に切断するための専用の工具あったりするのだとか、、、
私はめんどくさがりなのでやらないですが、、
しっかりと奥まで差し込んだら取り付け完了です。
またもとに戻して完成となります。
終わりに
これでEnder3をヒートブレイク化できました。
これからナイロンやPCなどの高強度フィラメントに挑戦していくことができます。
恐らくたくさんのトラブルにまた直面していくと思いますが、頑張っていきたいと思います。
壁がある限り3Dプリンターに飽きることはしばらくなさそうです(笑)
それではまた!
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